温泉の苦痛
トイレと同様に、お風呂、それも日本独特の温泉という文化にもジェンダーの問題は存在します。
僕は個人的に、修学旅行などの時にクラスの男子全員で一緒に大浴場に入るというのがとても苦痛でした。特に具体的な理由があったわけではないのですが、とにかくお風呂は1人で入りたいし、周りの人の裸も見たくはない。ただただ苦痛。といった感じでした。
それが嫌で、修学旅行の日が近づいてくるのが憂鬱だったり、
「うわ、三泊四日か。3回もお風呂入るのか…。」と悩んだり。
(頼むから部屋のお風呂を使わせてくれ!!と心の中で叫んでいた。)
今では、かなり仲の良い友人だったら一緒に旅行で温泉に入るのも良いか…と割り切るようにしているのですが、それも20歳になってやっとのこと。入らなくてよければ入りません。
日本に伝統的にある「裸の付き合い」に自分がこんなに悩まされるとは思っていませんでした。
僕は心も体も、いわゆる典型的な「男」なので、他人との温泉が嫌なのも単に感情的な問題なのですが、性的マイノリティの人にも同様の問題はあります。
例えば、インターセックス(性分化疾患とも呼ばれる)の人は、身体的特徴が男性的とも女性的とも言えない状態にあったりするのですが、そうした人々に対しても同級生との入浴を強制されているでしょうし、入らなければそれを問い詰められたりもするでしょう。自分で自分の身体的な特徴を説明するのなんて嫌でしょう。
他にも、身体的には男性で、性自認が女性の人(トランスジェンダー)が男湯に入るのはとても恥ずかしく苦痛なことではないでしょうか。裸は見られたくないし、目のやり場に困るし。
どうしても時間や人数の関係上、まとめて管理しないといけないかもしれませんが、
学生時代の数少ない行事を全員で笑って過ごしたいのは皆同じだと思うので、そんな風に苦痛を感じている人もいるんだ、という認識で温泉に入ってみてください。
そして、苦痛を感じている人は理解のありそうな先生に相談するか、なるべく影を薄くしてやり過ごそう…。
参考
0コメント